リデュース、リユース、リグラウンド?

私たちがニンナとケートリンに出会ったのは、2人が地元のカフェで使用済みのコーヒーかすを再利用するビジネスを始めたばかりだった2016年の終わり頃のことでした。初めて会ったときに比べて、彼らは(ほんの)少し成長したようです。そこで私たちは、これまでの道のりとサステナビリティの世界における次のステップについて詳しく話を聞きたいと思い、2人に会うことにしました。

コーヒーかすの再利用を目的としたビジネスを始めたきっかけは?

「Reground」は、ニンナがBrunswick Eastでバリスタとして働いていたときに始まりました。毎日のようにゴミ箱にコーヒーのかすを捨てていたニンナは、そのコーヒーかすの行方を知り、このシステムを変えなければいけないと思ったんです。コーヒーかすは、実は土壌を改良して質の高い野菜を育てるのに役立つ素晴らしい資源なのに、そのほとんどが埋立地に捨てられるせいで大気中の有毒ガスに変わってしまうことを知って、Regroundの活動に火がつきました。

Regroundは環境にポジティブな影響とインパクトを与えるためのプロジェクトです。私たちはコーヒーかすを資源に変えることで、人々の考え方や行動が変化していことをミッションとしています。

Regroundの立ち上げ以降に起こった変化について聞かせてください。 

Regroundの活動は、コミュニティの、コミュニティによる、コミュニティのためのもので、幸いにも私たちは、自分たちのミッションである「行動の変化」を目の当たりにしています。このプロジェクトでの活動は、みんなに正しい知識を知ってもらうことから始めました。カフェで働く人たちには、コーヒーかすはゴミ箱に入れる必要のない大切な資源で、ゴミとして捨てることで環境に危害を及ぼしてしまうことを伝え、庭師として働く人たちには、この資源が土壌やミミズ、植物、コンポスト(堆肥)にとって素晴らしいものであることを伝えていったんです。

そして、当初はコーヒーかすのエンドユーザーを必死に探していたような状況だったのが、ついにウェイティングリストを持つまでにRegroundは成長しました。これこそが地域のコミュニティに密着した活動を行うことの素晴らしさです。もしこれまでのようにコーヒーかすをゴミの処理施設に持ち込んでしまっていたら、「ゴミ」をめぐる何百人もの人の考え方が変わることはなかったと思うし、捨てられてしまうコーヒーかすが「視界に入らない、気にならない存在」のままで終わってしまっていたと思います。

そして、Regroundでは透明性を何よりも大切にすることで、一見ばらばらに見えるカフェのオーナー、バリスタ、コーヒーを飲む人、家庭菜園をする人などの、コーヒーがつなぐコミュニティを支える役割を果たしているんです。

Regroundのエンドユーザーからはどんな反応がありましたか? 

エンドユーザーにコーヒーかすを届ける作業は、私たちの活動の中でも最も好きなパートです。彼らはこれを埋め立てることなく活用し、コーヒーかすで自分たちや地域のための食料を育てることで、まさに世界を変えていこうとしているんです。

私たちはいつもエンドユーザーからいろいろなことを教えてもらっています。例えば、エルタムに住むスチュアートは、コンポストをもっと効率的に混ぜるためにセメントミキサーを購入して、自分でバイオチャームを作っているそうです。あとは、毎月のコーヒーサブスクリプションを楽しみにしているみたいですよ。彼の家のアプリコットの木の下には、たくさんのオールプレスのラテが置かれているはずです!

ボランティアで運営されているコミュニティガーデン、退職金やプレストンの裏庭を活かしてニワトリを飼っている若い家族など、Regroundのエンドユーザーに共通しているのは、リソースを最大限に活用しているということです。土壌や四季などの普遍的な存在、そして庭を守るための資源とつながることは、彼らにとっては必要不可欠であり、いつも有効的なリソースを見出そうと努力しています。目まぐるしく変化していく日常の中で、私たちは彼らから多くのことを学んでいます。

「彼の家のアプリコットの木の下には、たくさんのオールプレスのラテが置かれているはずです!」

活動している中で一番やりがいを感じる瞬間は?

みんなの行動が変化していく様子を実際に見ることです。私たちはゴミに対する人々の考え方を変えるためのプラットフォームとして、コーヒーかすをリサイクルするというとてもハードルの高いミッションを自分たちに課しました。オーストラリアには「見えないものは気にしない」という考え方が浸透していて、これがRegroundにとって大きな壁となっていますが、なんとか乗り越えようと頑張っています。

この2年間で多くのカフェがRegroundの活動を求めて私たちのもとまでやって来てくれて、多くの人々が私たちのプロジェクトに参加したいと言ってくれて、多くのエンドユーザーがこの資源を庭で使おうとしてくれて、多くのコーヒーファンがRegroundと一緒に活動しているカフェを支持してくれて、多くのコーヒーかすをリサイクルする機会がRegroundに与えられるているということが、私たちの最大のやりがいとなって毎日を支えているんです。

私たちはこれまでに154トン以上のコーヒーをゴミ箱から引き揚げてきました。つまり、約490万杯分のコーヒーに相当する量です!私たちは、変化を起こすためには実際に外に出て行動することが大事だと思っています。この取り組みを地域のコミュニティのみんなと一緒に達成できたことを心から誇りに思っているし、次のステップに向けてわくわくしています。

「サーキュラーエコノミーとは、製品が新しいものから作られて捨てられるのではなく、すべてが再び元の状態に戻されて作り直される未来を指します」

ゴミの未来であるリサイクルは、今後どのような方向に向かっていくと思いますか? 

ゴミの未来は私たちが一丸となって協力していくことに懸かっていると思います。未来のためには個人や企業として活動するよりも、一つのコミュニティでみんなで協力して活動する方がより大きな力を発揮することができるはずです。私たちは今、オーストラリアに現在あるゴミの処理システムを一新し、政府に変化を求め、個人レベルでコミュニティとして変化を起こす大きなチャンスに恵まれているんです。

「ゴミの未来はリサイクルにある」と、質問の中できれいにまとめられていますね!サーキュラーエコノミーとは、製品が新しいものから作られて捨てられるのではなく、すべてが再び元の状態に戻されて作り直される未来を指します。そのためには個人として、またビジネスにおいて、コラボレーション、発想の転換、イノベーションが必要です。とってもエキサイティングですね!

例えば、使い捨てのプラスチックにノーと言ったり、コーヒーを土に還す活動をしているビジネスを支援したり、リサイクル製品をサポートするためにバイイング・パワーを利用したり、こうしたソリューションを提供するよう政府に働きかけたりすれば、一丸となって取り組む社会に対してポジティブな影響を実感できるし、私たちが普段どれだけ多くの資源を廃棄しているかが分かるはずです。

日常生活の中でできるゴミの減量方法にはどんなものがありますか?

1. まずはミミズとコンポストです!たとえアパートに住んでいたとしても、生ゴミをミミズにあげれば1000匹の親になることができます。ミミズの排泄物はガーデニングをする人にとって宝物なので、あなたの家に庭がなかったとしても、彼らにその恵みをシェアしてあげることができます。ミミズに生ゴミを与えるときは、卵のパックやトイレットペーパーのロールなどのカーボンも少し入れてあげてください。

2. コーヒーを淹れるのもおすすめです。ひとりの時間をゆっくりできるすてきなひとときになるし、使い捨てカップの無駄を省いたり、自分だけの贅沢な空間を過ごせます。家でコーヒーを淹れるのが難しいようであれば、外でリユーザブルカップを使うのもいいと思います。

3. バイイング・パワーを使うのもいいですね。「商品を買う」という行動には、とても大きな力があります。みなさんが今週お金を使ったすべてのものと、その商品やサービスを提供している企業を思い浮かべてみてください。コーヒーかすをゴミの処理施設から引き揚げたり、地元のコミュニティを支援したり、使い捨てのプラスチックの使用を最小限に抑えたり、害のない良質な原材料を調達している企業にあなたのお金を使うことを選択しましょう。私たちには消費者としての大きな力があるのだから。

Regroundの詳細についてはこちら。またはInstagramをご確認ください。