2023年11月、ラ・マルゾッコからの招待を受けて、UKチームがイタリアのフィレンツェにあるラ・マルゾッコ・アカデミアを訪問しました。
フィレンツェを囲む丘の間にあるアカデミア・デル・カフェ・エスプレッソは、ラ・マルゾッコの旧工場を改築して新しい構想を持って生まれた場所です。ラ・マルゾッコのチームはこの施設の中で、エスプレッソマシンのメカニズムに対する世界の認識を業界屈指の革新的な技術によって一変させてきました。
ラ・マルゾッコが歩んできた道のりを紹介する展示やワークショップが行われているこのアカデミアは、エスプレッソラバーを魅了するオープンスペースとなっており、数十年にわたって行われてきたラ・マルゾッコの研究開発の舞台裏、そして世界トップクラスの技術に込められたすべての要素を見ることができる施設となっています。
フィレンツェに到着
ロンドンを早朝に出発し、機内でたっぷり仮眠をとったあと、チームはフィレンツェの美しい日差しに迎えられながら素晴らしい旅のスタートを切りました。
ヘッドバリスタのアルは美しい街を散策するため、テクニカルチームやトレーニングチームのメンバーとともに、エネルギーチャージにぴったりのフィレンツェの名物サンドイッチを探しに出かけました。
街の散策はフィレンツェで過ごすわずか36時間の旅の理想的なスタートとなりました。ラ・マルゾッコがインスピレーションを得たとされるこの街の環境や背景、そして歴史をその目で見たチームが得た感動は計り知れません。美しい職人の技が凝縮されたフィレンツェの街で、彼らは石の彫刻、革細工、そしてもちろん本格的なイタリアン・エスプレッソも楽しみました。
街中を歩いたあとはヴェッキオ橋を渡り、最後は素晴らしい景色が広がるシニョーリア広場でフィニッシュです。
歩いているうちにすっかりお腹が空いてきたので(のどもカラカラ!)、次の目的地であるサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の近くのレストランに向かい、フィレンツェの絶景を眺めながらワインを2、3杯飲んでアペリティーボを楽しんだあと、夕食をとりました。パスタ、フライアーティチョーク、チーズ、そして今まで口にしたことのないような最高のステーキでお腹を満たして、1日目は終了です。
アカデミアでの一日
翌朝はメインイベントであるラ・マルゾッコ・アカデミアへの訪問まで、少しゆっくりとした朝を過ごしました。
フィレンツェの麓に位置するアカデミアは、霧と太陽の光に包まれています。古い工場を改築した建物に入ると、そこはまさに異空間でした。
チームはカスタマイズされた6連式のエスプレッソマシンに直行し、自分たちのスキルを試そうと早速エスプレッソを抽出してみましたが、まるでモンスターやフランケンシュタインのようなマシンでコーヒーを淹れているような感覚です。
何枚か写真を撮った後は、館内の温室を眺めながらコーヒーを楽しみました。高さ2メートルのバナナの木に囲まれたこの温室の中央には、温度管理された小さなコーヒーの苗木が置かれいます。その日最初のコーヒーを楽しむにはうってつけの場所でした。
ラ・マルゾッコ・アカデミアのツアー
アカデミア・ツアーの最初にバンビ・バーを見に行ったテクニカルチームは、思わず目を丸くします。そこにはなんと、1950年代風のバーに当時の装飾が施されたオリジナルのGS2が展示されていたのです。
ラ・マルゾッコやバンビ・ファミリーの歴史をたどりながら、エスプレッソマシンやレバーマシンの初代モデルなどを見学し、ツアーはさらに進んでいきました。
アカデミアのキッチンチームが用意したランチを楽しんだあとは、建物の地下にある工房へ。この工房では、世界中のカスタムメイドのマシンに使われているハンドメイドの部品やパーツが作られています。この日も1個あたり1キロもある特注のポータフィルターに使う金属に加え、ユニークな部品がたくさん鍛造されていました。
ツアー中、チームは1970年からこの工房で働いている男性や、何世代にもわたってこの工房で働いている家族を紹介されました。間近で見た熟練の職人技やそこに広がるアットホームな雰囲気は、まさにラ・マルゾッコの魅力的な部分です。
アカデミアのツアーに参加したUKのチームがいるダルストン・ロースタリーでおいしいコーヒーを淹れるためには、ラ・マルゾッコの美しいマシンが欠かせません。彼らはロンドンに戻ると同時に、今回のツアーで得たインスピレーションをそれぞれの場所で活かしていきたいと思うようになったと話してくれました。
ツアーはその日の午後に終了し、アカデミアで焙煎された(とても珍しい)嫌気性発酵のロブスタコーヒーを飲んで幕を閉じました。
多くの発見であふれたフィレンツェの旅は、参加したUKチームにとって最高の思い出です。